たねなしプルーン

徒然なるままに

カルチャー日記:働くことの哲学 ラース・スヴェンセン book

2018.09.29 sat

いやー、何というかタイムリーな本を手に取ったものだ。ま、論文なのかな。

今、窓から外を覗いてみてもたくさん働いている人がいる。似顔絵描いてる人、呼び込みしてる人、服売ってる人。耳をすませてみると後方からは「上司がさぁー」と休日のOLの語らい。

言わずもがな「仕事」というのは我々の生活を形成するものである事が分かる。初対面の人に対して「お仕事は何をされているんですか?」と問うことがある事からも「仕事」というのはその人自身を位置づけ、形作るものでもあるということができるよねー。

 

手段なのか目的なのか。仕事は人々にとって単なる金稼ぎであるための手段なのか、それとも自己実現を目指すべきでの目的であるのか。著書には現在では圧倒的に後者の考え方が主流になると書いてある。個人主義の出現によって僕たち私たちには、自分に対する新たな責任が、すなわち自分らしい自分になるという義務が課された。と。真の自己っていうのは自前の自己で、今となっては労働はその自前の自己を創出する過程における1つのツールだと。

 

仕事が金稼ぎのための手段だとしても、自己実現のための目的だとしても自己が満足した形で人生に幕を閉じることができたら最良だと思う。「仕事」は確かに我々を位置づけて形作るものではあるが、同時に我々の全てではなくて一部分の単なる要素であるとも言うことができる。

 

哲学は人間そのものについての仕事。人間の自己理解みたいな事をウィトゲンシュタインが言ってた。「へー」、だよね。

僕は哲学とは自分なりの良い距離感で折り合いをつけて生きていこうかなー。

 

充実した日々、人生とは何なのか。幸福とは私たちにとってどういったものなのか。その中における仕事はどういった役割を自分の中では持っているのか。時には考えてみても良いなと思う。

 

いや、それよりも自分にとっての幸福とはなんなのか幸せとはなんなのかって事について考えてみたほうが、自ずと自分の中での仕事の位置も見えてくるんじゃないかなーなんて思う。